京都市近年の猛暑日の積算日数
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京都市近年の猛暑日の積算日数
猛暑日の積算グラフで見る暑い夏の実態
日本の夏は年々非常に暑くなっているようですが、では「暑い夏」とはどのような指標を用いているのでしょうか。猛暑日は日最高気温が35℃以上の日のことで日平均気温でもほぼ30℃以上となっています。「暑い夏」には、そのような猛暑日が高い頻度で生じていると言えそうです。
昨年(2024年)は、日本全国で極端な高温が記録され、京都市も観測史上最も暑い夏となりました。京都市の猛暑日は合計54日となり、2022年の25日、2023年の43日を大きく上回りました。さらに今年(2025年)は、すでに6月から猛暑日が現れ、これまでにない速いペースで増えつつあります。近畿地方は平年より22日も早く梅雨明けし、暑い夏の訪れが例年になく早まったようにもみえます。
これまでの多くの研究で示されているように、京都市においても猛暑日には熱中症救急搬送者数が急増することが明らかになっており(安成・何,2025)、過去14年間の総猛暑日数と熱中症搬送者総数のあいだにも、有意な正の相関がみられます。
ただ、「暑い夏」が人々の生活や健康に与える影響は、夏の猛暑日総数だけでなく、猛暑日が夏のいつ頃に生じているか、どの時期に集中しているかなど季節の中での履歴によって変わってきます。たとえば、熱中症搬送者数は、梅雨明け後の急な暑さで特に多くなることが京都市でも分かっています(安成・何、2025)。農業への影響も、作物の生育や収穫の時期と猛暑日のタイミングなどが深く関与する可能性があります。
そのような猛暑日の季節的な出現履歴をみるために、図1を作成してみました。このグラフは、京都地方気象台における6月1日以降の猛暑日の累積日数を過去7年および今年についてプロットしたものです。夏季4カ月間における猛暑日積算日数の推移をみると、2023年と2024年の速いペースでの増加が際立っています。2018年も7月末頃までは同じようなペースでした。2018年の熱中症搬送者数がこの時期に多かったこととも関係していそうです。
さて、今年の夏の猛暑日の積算日数のグラフからは、これまでになかったような早いタイミングで猛暑日の増加が始まっていることが見てとれます。このような猛暑日のリアルタイム・モニタリングから、進行する「暑い夏」の傾向をより多くの人が理解し、対策を講じるきっかけとなることを願っています。