コメへの気候変動影響調査
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コメの気候変動影響調査
1989年以降32年間の京都府の水稲収量、品質について
序文
1989年以降京都府において水稲の10a当たり収量および1等級米比率がどのように推移し主に気温がどの程度影響するのかを、主に統計資料の分析から明らかにする。ただし、本報告で示す米の収量、品質等のデータは、京都府全体としてのものであり、府内の地域ごとの変動やばらつきについては分析していない。
水稲は特に出穂期後3週間の気温の影響を受けることから、今回は出穂期後3週間平均気温を利用する。
まとめ
1989年〜2021年の32年間について、水稲の生育に重要な出穂後3週間の気温と、収量、品質の関係を統計資料から分析した結果、以下の[1]、[2]のことがわかりました。
[1]この32年間を通して気温は緩やかな上昇の傾向を示しているが、それが京都を含む関西地域の米作の収量や品質に大きな影響は与えているとはいえない。
[2]一方、極端に気温が低くなると収量低下がもたらされた事例は京都でも過去(1993年)におこっており、また、極端な気温上昇が品質の低下をもたらしうる事例も過去におこっている(2010年) 。ただし、京都府での品質の低下の度合いは低い。
これらのことから、京都府全体で見た場合には、米作への温暖化の影響が顕著にでているとは言えないが、詳細に見れば京都府内にもすでに影響が出ている地域はあるかもしれません。また、短期的に大きな気温変動がある場合や、今後長期にわたって温暖化傾向が続いた場合には、すでに他県で見られるように、京都府全体として収量、品質に影響が出る可能性があることがわかりました。
図1:関西2府4県の出穂期後3週間平均気温(℃)の推移
図2:関西2府4県の10a当たり収量(kg/10a)の推移
図3:関西2府4県の1等級米比率(%)の推移
図4:関西2府4県の出穂期の推移
詳細は下記のリンクからPDFをご参照ください。
(注:図は未発表のため無断転載は禁止します。)